飲食店の実務帖
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開業・運営ノウハウ

小さな飲食店は1日いくら売ればいい?損益分岐点と必要客数の計算

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家賃や人件費から必要な月商・日商・客数を計算。固定費60万円・変動費率40%の例と、12席カフェの営業判断、利益と現金残高の違いを解説。簡易計算機付き。

小規模ビストロの席と売上計画を検討する電卓。
先に、この記事の結論

月の固定費が60万円、変動費率が40%なら、損益分岐点売上は月100万円です。25日営業なら1日4万円、客単価1,000円なら40人。ただしこれは仮定例で、借入元金返済や店主の生活費は別に資金繰りへ反映します。

「売上の目標」と「赤字にならない売上」を分ける

希望する月商から逆算する前に、毎月出る費用を整理します。損益分岐点は、売上と費用が等しく利益がゼロになる水準です。ここを超えれば自動的に手元資金が十分になるわけではありませんが、必要な客数を検討する出発点になります。

中小機構のJ-Net21は、固定費を限界利益率で割る計算方法を示しています。この記事ではその式を使った編集部の仮定例で説明します。実際の計画では費用の分類をそろえ、税区分も混ぜずに計算します。

売上から客数へ落とし込む。固定費と変動費率を整理。必要月商を営業日で割る。日商を客単価で割る
売上から客数へ落とし込む(編集部作成)

固定費と変動費を分け、二重計上を防ぐ

費用計画上の扱いの例注意点
家賃・基本の人件費月の固定費採用人数や契約で変わる
材料・容器売上に応じる変動費仕入れ額と使用原価は同じとは限らない
決済・配達等の手数料取扱比率を反映する変動費全売上に一律の率を掛けない
光熱費固定部分と営業量による部分簡略化した場合は実績で見直す
減価償却費・利息等損益計算で考慮する費用借入元金返済とは区別する

変動費率40%という仮定に材料・容器・手数料を含めたら、同じ費用を固定費へもう一度入れません。個人事業主本人の生活費と借入元金返済は、経費と同じ扱いにせず資金繰りで確認します。具体的な会計上の区分は税理士等と確認してください。

固定費60万円なら月商100万円の計算例

損益分岐点売上=固定費÷(1−変動費率)です。仮に固定費60万円、変動費率40%なら、60万円÷0.6=100万円。売上100万円から変動費40万円を引いた60万円で、固定費60万円を賄う計算です。

仮の月商変動費40%固定費簡易計算上の利益
80万円32万円60万円−12万円
100万円40万円60万円0円
120万円48万円60万円12万円

すべて計算方法を示す例で、飲食店の平均値や達成予測ではありません。固定費に必要な費用が入っていなければ、この利益は実際より大きく見えます。

必要売上・客数の簡易計算

税区分をそろえた数値で入力。借入元金・生活費・税支払の資金繰りは別に確認します。

固定費÷(1−変動費率)で計算します。

利益と残高を別々に見る。損益:費用を引いた利益。資金繰り:実際の入出金。返済・生活費も残高に反映
利益と残高を別々に見る(編集部作成)

1日4万円を、席数と客単価で実現できるか見る

月商100万円を25日で割ると1日4万円です。客単価1,000円なら40人。12席なら40÷12=約3.3回分の席利用ですが、全席が同じように入れ替わるとは限りません。2人卓を1人で使う時間や、仕込み・片付けの時間もあります。

昼の2時間に客数が集中する店では、営業時間全体で割った数字より、その時間帯に作って出せる人数を確認します。平日が20人・休日が60人など日別に仮説を分け、営業日数を掛けて月商へ戻してください。

客単価を1,200円にすると必要客数は単純計算で1日約34人ですが、値上げ後も同じ注文数が維持される保証はありません。メニュー構成、提供時間、近隣需要を合わせて検討します。

黒字でも返済や生活費で現金が減る

借入元金の返済は現金が出ますが、そのまま損益計算の費用になるわけではありません。減価償却費は費用でも、その月に同額の現金が出るとは限りません。利益の表と入出金の表を別に作る理由はここにあります。

売上入金、仕入れの支払い、借入返済、税金等の支払い、店主の生活に回す金額を月次で並べ、月末と大きな支払日前の残高を確認します。開店直後は売上見込みを下げたケースも用意してください。開業資金と運転資金の作り方で初期費用とつなげられます。

目標に届かないときは客数だけを増やそうとしない

値上げ、注文構成、材料のロス削減、営業時間、固定費の見直しを別々に試算します。変動費率を40%から35%へ下げた場合、固定費60万円なら分岐点は約92.3万円です。ただし品質や提供量を変えた結果、客数が減る可能性もあるため数字だけで決めません。

開店後は週ごとに客数・客単価・仕入れ・廃棄を記録し、仮説と実績を更新します。売上記録の仕組みは小規模店のPOS比較、一人で対応できる注文量はワンオペの会計・注文動線で確認できます。

よくある質問

日商4万円なら生活できますか?

この記事の4万円は仮定例の損益分岐点です。生活費、借入元金、税支払い、設備更新などを別に資金繰りへ反映しないと判断できません。

原価率30%だけで計算できますか?

材料原価だけでなく、容器・決済手数料など売上に連動する費用も含めます。実際の販売構成を反映した変動費率で計算してください。

計算機の結果は融資用の計画に使えますか?

簡易検討用で、融資審査向けの完成資料ではありません。見積書と費用内訳、月別計画、返済を含む資金繰りを別途用意してください。

情報源・編集について

参照情報確認日:2026-10-18。料金や機能の記載には参照元を示しています。運用上の提案は編集部の見解です。

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